「歯を失ったけれど、入れ歯には抵抗がある」「もっとしっかり噛めるようになりたい」というような思いを抱えている方にとって、良い選択肢の一つがインプラントです。
インプラントは、歯が抜けた部分の顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着することで、見た目と噛む機能を回復できる治療法です。
この記事では、インプラントの基本的な仕組みから、メリット・デメリット、実際の治療の流れ、どんな人に向いているかまで、わかりやすく解説していきます。
インプラントとは、歯を失った部分に人工歯根を埋入し、その上に人工の歯を装着することで、歯の見た目と機能を回復させる治療法です。
インプラント体には、主にチタンが使われています。
チタンは骨としっかり結合する性質があり、インプラント治療において重要な役割を果たします。
上部構造にはセラミックやジルコニアといった審美性の高い素材が使用されます。
インプラントは顎の骨に直接埋め込む構造で、義歯やブリッジのように他の歯に頼らず、独立して機能するのが特徴です。
このため、しっかりと噛む力が得られ、硬い食べ物や弾力のある食品も安心して食べられます。特に入れ歯でうまく噛めなかった経験がある方にとっては、食生活の質が大きく変わります。
ブリッジ治療では両隣の歯を削って支えにしますが、インプラントはその必要がありません。
健康な歯を削らずに済むという点で、将来的な歯の喪失リスクを減らすことができる治療法です。
歯を失うと、そこにある顎の骨に力がかからなくなるため、骨が次第に吸収されて痩せていきます。
これを骨吸収と呼びます。
インプラントは骨に力を伝える構造であるため、骨吸収を予防する効果があります。将来的に顔貌の変化を防ぐという美容面でのメリットもあります。
人工歯部分にはセラミックなどの素材を用います。
セラミックは色調や形状を周囲の歯に合わせて調整できるため、見た目がとても美しいのが特徴です。
特に前歯の治療の審美面において、インプラントはとても良い選択肢となります。
インプラントは固定式のため、口の中で異物感があるといったようなストレスがありません。装着していることを意識せずに生活できるのがメリットです。
インプラントは、適切なケアと定期的なメンテナンスを行えば10年以上使えることも多く、なかには20年以上問題なく使用しているケースもあります。長期的に見れば、ブリッジや入れ歯よりもコストパフォーマンスの良い選択になることもあります。
インプラント治療は保険が適用されない自由診療のため、1本あたり30万〜50万円程度が相場です。
これに加えて、CT撮影、骨造成、仮歯などの費用がかかることもあります。
複数本を同時に治療する場合は、費用がさらにかさみ、トータルで100万円を超えることもあるため、経済的な負担を考慮する必要があります。
治療は基本的に検査・手術・人工歯の装着で進み、インプラント体が骨と結合するまでの治癒期間が2ヵ月〜6ヵ月ほどかかるため、治療全体に半年〜1年ほどかかることもあります。
インプラントは外科手術を伴う治療です。麻酔をするとはいえ、出血や腫れ、痛み、感染症などのリスクはゼロではありません。
糖尿病、高血圧、心臓病、骨粗鬆症などの持病を持つ方は、インプラント治療を行うかどうか慎重に判断する必要があります。
免疫力が低下している方や喫煙者の場合も、治療成功率が下がる傾向があり、事前の問診、検査が欠かせません。
インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎という歯周病に似た病気にかかることがあります。これが進行するとインプラントが抜け落ちてしまうリスクもあるため、日々のセルフケアと定期検診の両方が必要となります。
顎の骨の高さや厚みが足りない場合には、骨を増やす手術が必要になります。これにより治療期間が延びたり、追加費用が発生する可能性もあります。
まずは歯科医師とのカウンセリングを行い、口腔内の状態、過去の治療歴、全身の健康状態を確認します。
歯を失った原因や、今後どのような歯にしたいかといった希望だけでなく、不安や疑問をしっかり伝えることが大切です。
自分が何を重視しているのかを明確にしておくと良いでしょう。
治療計画を立てるために、レントゲンや口腔内写真、CTスキャンなどを用いて、顎の骨の状態や神経の位置、咬み合わせなどを調べます。
また、必要に応じて血液検査などを行い、糖尿病や骨代謝の状態など、全身の健康状態も確認します。
これらの情報をもとに、インプラントが安全に行えるかどうかを判断します。
検査結果に基づき、インプラントの本数や埋入位置、使用する材料、治療の期間、費用などについて詳しく説明があります。納得した上で治療に同意すれば、次の手術へと進みます。
局所麻酔をかけ、歯肉を切開して顎の骨にインプラント体を埋入します。1本あたりの手術時間は約30分〜60分程度です。手術当日は強い運動や飲酒を避け、翌日以降に消毒や経過観察のための通院が必要となります。
インプラント体が顎の骨としっかり結合するまで、治癒期間を設けます。
結合まではおおよそ2ヵ月〜6ヵ月程度かかります。
この間、仮歯で見た目や咀嚼機能を補うこともあります。
まずは歯科医師とのカウンセリングを行い、口腔内の状態、過去の治療歴、全身の健康状態を確認します。
歯を失った原因や、今後どのような歯にしたいかといった希望だけでなく、不安や疑問をしっかり伝えることが大切です。
自分が何を重視しているのかを明確にしておくと良いでしょう。
歯型をとって人工歯を製作し、アバットメントの上に装着します。
使用する素材は保険外のセラミックやジルコニアなどが多く、患者様の希望や予算に応じて選べます。
インプラントを長く使うためには、治療後のメンテナンスが欠かせません。3ヶ月ごとに定期検診を受け、噛み合わせのチェックや清掃状態などを確認します。
自宅での清掃の仕方についても指導を受け、インプラント周囲炎の予防に努めましょう。
現在総入れ歯や部分入れ歯を使用していて不満を感じている方にとって、インプラントはとても良い選択肢となります。入れ歯のような動揺がなく、しっかりと固定されることで、生活の質の向上につながります。
インプラントは顎の骨と結合して支えられるため、入れ歯やブリッジに比べて、食事中に強い力で噛むことができます。肉やせんべい、ナッツなど、これまで避けていた食べ物を楽しめるようになることで、食生活が豊かになります。
前歯など目立つ部分の欠損に対して、見た目は重要になります。
インプラントは、セラミックなどの見た目の良い素材で作られるため、天然歯とほとんど見分けがつきません。
歯肉との境界も違和感がなく、口を開けた時などの印象を良くすることができます。
ブリッジ治療では両隣の歯を削る必要がありますが、インプラントであればそのような必要がありません。
将来的に他の歯を守ることにもつながり、口腔全体の健康維持につながるといっていいでしょう。
特に、若い方、または残存歯が少ない方にとって、自分の歯を少しでも多く残すためにはインプラントが有効です。
インプラントは10年以上、適切にケアすれば20年以上持つとされており、長期的に見てコストパフォーマンスが良いです。また、顎の骨が痩せるのを防ぎ、顔の輪郭や表情など、若々しさも保ちやすくなります。
インプラントは、失った歯の機能と見た目を回復できる治療法です。
費用や期間、手術の負担といった注意点はありますが、それ以上に得られる満足度は高いといえます。
まずは信頼できる歯科医院でしっかり相談し、自分にとって本当に必要かどうかを見極めることが大切です。
インプラントの基礎をしっかり理解し、自分に合った方法を選択しましょう。
国際資格を持つ2名の歯科医師が率いる歯科治療チームが、患者様の理想のゴールに寄り添った計画を立て診療いたします。
お口についてのお悩みやご希望をぜひお聞かせください。